ぼくが悲しみを乗り越えるとき、そばにあったもの

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なにか、ツラいことがあったとき、
なにか、苦しいことがあったとき、
そんなとき、
ぼくは決まって、自分の殻にこもりたくなる。
 
その方が、居心地がいいから。
 
 
でも、ぼくはピアノの先生。
 
レッスンの時間がやってくれば、
大好きな生徒ちゃんが、
お教室にやって来てくれる。
 
こんなときね、
必ず、思い出すことがあるんだ。
 
 
それは、恩師の言葉。
 
 
自慢げに話すようなことではないんだけど、
ぼくは、大学院受験に失敗をしています。
 
今、振り返ってみれば、無理をしていたと思います。
だから、
仕方がなかったって、思えます。
 
でも、そのときは、悔しかったし、悲しかった。
 
 
合格発表の日も、レッスンがありました。
そう、生徒ちゃんと会うんだ。
 
発表された番号の中には、
ぼくの番号はありませんでした。
不合格がわかってすぐ、
頭に浮かんだのは、生徒ちゃんの顔でした。
 
「レッスンは出来ない」って、思った。
休ませてもらおうって、思った。
 
 
先生「あなた、今日、レッスンは?」
ぼく「あります。」
先生「そう…。
   あなた、休む気でしょ?」
ぼく「はい…。」
先生「やっぱりね。
   いい?
   絶対に、今日は休んじゃだめよ。
   いつも通り出来なくてもいいから、やりなさい。」
ぼく「え?でも、今日は、無理ですよ。」
先生「いいから、やりなさい。」
   絶っ対よ!
   私の言葉の意味は、あなたの生徒が教えてくれるわ。」
 
 
こんなやりとりだったと思います。
 
でも、
ぼくは、出来ないと思っていました。
 
悲しくて、
悔しくて、
苦しくて、
こんな想いのまま、
あの子たちと向き合うことは、
とても出来ないって、
思っていました。
 
 
でも、実際にレッスンの時間を迎えるとね。
 
 
彼らが、
ぼくを、
助けてくれたんですよ。
 
いつもの時間を、
ぼくに、届けてくれるんですよ。
 
いつもと変わらず、
ぼくに、
レッスンをさせてくれるんですよ。
 
 
ありがたかった。
 
 
彼らとの時間が、
心から、ありがたかった。
 
この時間が、今のぼくにつながっている。
 
 
 …

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